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映画生活

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『舟を編む』

玄武書房という出版社の営業部に勤める馬締は
真面目すぎて職場で少々浮いている。

しかし言葉に対する卓越したセンスを
持ち合わせていることが評価され、
新しい辞書『大渡海』の編纂を進める
辞書編集部に異動になる。

今を生きる辞書を目指している『大渡海』は
見出し語が24万語という大規模なもの。
曲者ぞろいの辞書編集部の中で
馬締は仕事にのめり込んでいく。

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こういう静かな映画は邦画に向いている。
素敵な作品だった。

個人的にツボったのは、
辞書編集部の人々が黙々と机に向かって仕事してる姿。

あーゆう仕事の仕方って憧れる。
一人一人が黙々と仕事するんだけど
それは別々のものではなくて
ひとつの大きなものを作り上げる。
とてもいいなぁって思う。

ストーリーの軸は15年に渡る辞書の編纂なんだけど、
前半はこれに馬締くんと香具矢さんの恋模様が加わる。

これは甘ったるいラブストーリーになってないのがいい。
オダギリジョーの西岡がチャラいけど、
馬締くんと香具矢さんをつないでいく。
西岡ほんとにいい奴なんだよね。

後半は夫婦の絆の話に移っていく。
途中、邦画お得意の病気の人を亡くならせて
感動させる手法になるのかなと思うところがあったけど、
そうはならず、馬締くんの辞書つくりへの熱意を
静かに表現していたのがとても印象的。

今はネットスラングなど新しい言葉がどんどん出てきて
それを良く思わない人もいるけど、
これを観た後思ったのは、
どんな言葉でも言葉っておもしろいなってこと。
by cinema-life | 2013-04-30 21:53 | 邦画
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