マヌエラは女手一つで息子を育てた。
だがある日、大女優ウマ・ロッホにサインをもらおうと
道路に飛び出した息子が交通事故で死亡。
息子の死を別れた夫に知らせようと
マドリードからバルセロナへ来たマヌエラは、
ふとしたことからウマの付き人になる。
同時に妊娠したシスター・ロサと同居を始める。
ロサは実はマヌエラの元夫の子どもを
妊娠していたのだ。
赤ん坊が生まれるが、
エイズに感染していたロサは死んでしまう。
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ペドロ・アルモドバル監督の作品は
すごく好きなんだけど…。
この作品はなぜだかしっくりこなかった。
しっくりこなかったというよりか、
よくわからなかった。
この監督の作品は基本的にスルメ的な作品が多い。
じわじわ時間をかけると味が出てきて、
内容が理解できる。
だから、今回も一回観ただけでは
理解出来ないことを前提として観ていたのだが…。
全体の雰囲気と言うのか、
ストーリーそのものなのか、
なんだかしっくりこない。
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』や『ボルベール』
等に出てくる女性は、
ホントに追い込まれてボロボロになっても立ちあがって、
次第に強くなっていく。
という印象があって、
そうやって描かれる女性の強さ、
逞しさが自分的には好きだったんだけど、
マヌエラにはそこまでの崖っぷち感がない。
というか、スマートすぎる。
たぶん、もっとドタバタしたり、
ガヤガヤした内容が好きなんだと思う。
ペドロ・アルモドバル監督作品はそんな風であってほしい
という個人的願望のため、
しっくりこないという感想になったのだと思う。