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モンスター(百田尚樹)

モンスター (幻冬舎文庫)

百田 尚樹 / 幻冬舎

面白かったけど、ラストが気に食わない。

スコア:



ネタバレあります。

バケモノと呼ばれるほどブサイクな主人公が、
整形を何度もすることで美貌を手に入れ、
ヒエラルキーがどんどん上がっていく。

彼女をそこまで突き動かすのは
一人の男への情念だった。

こんなあらすじを読んで、
即購入した。
百田さんの作品は『永遠の0』を読んだのみ。

美人になってからの現在と、
美人になるに至るまでの過程が交互に進む。
個人的には好きな展開の仕方ではないのだけど、
主人公美帆がどうして美容整形をするに至ったのか、
何のために故郷に戻ってきたのかなど
丁寧かつテンポよく描いていて面白い。

ただ、何かなぁ…。
ラストが正直気に食わなかった。

これ、ただの初恋を実らせた系の純愛小説やん。
ブサイクであると言うだけで、
人生において様々な理不尽にあってきた美帆が
綺麗になって初恋の男の前に現れて、
自分に夢中にさせて翻弄しようとするけど、
自分の命が終わりそうになったので、
整形であること、過去の自分について話したけど、
その男はそれでも好きだと言ってくれた。
ハッピーエンド。

って、おい!!

そこは逆に突き放されてどん底に落ちながら
死んでいってほしかったかも…。

何か全体的にご都合主義って感じ。
ただ、読みやすいし、エンターテイメント作品としては
十分楽しめると思う。

映画化も決まってるようなので、
映像にした方が面白そうだなとは思った。
小説として読むほどのもんでもなかったな。

もっとドロドロと人間の欲とか汚い部分が出てきても
よかった気がする。

私としては、ブサイクは顔が変わってもブサイクだし、
顔がブサイクでも許せるブサイクはいるし、
美人でも美人と思いたくない人もいる。
要は、その人自身が自分のことが好きであればいいと思う。

結局、この主人公は美容整形をしても
自分のことは好きになれなかった。
綺麗になった自分を好きになって、
手のひらを反して優しくなった世間と
楽しくやって行けるような女であれば、
ブサイクでも整形した美人でも共感が持てたんだけどな。

共感できる部分が何一つなかったので、
この主人公の最後には納得がいかなかった。
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# by cinema-life | 2013-12-05 21:03 | 文庫